令和2年度創立記念式典 式辞
晩秋のこの佳き日、吉井高校は創立46年目を迎えました。記念式典を催すにあたり、ご多用の中、同窓会長 内田義雄 様にご臨席を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、創立記念日に際して、本校創立時の歴史を振り返ってみたいと思います。
昭和30年に新しく誕生した多野郡吉井町では、全日制普通科高校の設置を要望する地域の声が高まり、活発な誘致運動が行われました。その甲斐あって、昭和49年11月1日に「群馬県立吉井高等学校」として開校準備が始まり、昭和50年4月7日、1学年8クラスの普通科として、第一回の入学式が執り行われました。この記念すべき第一回入学式は、体育館が未完成であったため、校庭で行われました。一期生360名が、真新しい制服に身を包み、希望と期待に胸を膨らませ堂々とした立派な入学式であったそうです。初代校長の山岸校長は、式辞で「自ら伝統を創る一期生としての誇りを持ち、教師と生徒が一丸となって学校を築きあげよう」と述べ、新入生代表が「一期生である自覚を持ち、明るく、正しく、清く、勉学に励む」と宣誓し、歴史的な一歩を歩み出しました。この宣誓の言葉が、校訓の礎(いしずえ)となっているように思います。
その後、平成12年度には、普通科から総合学科へ学科改編し、当時は、「国際社会に生きる」(語学・国際系列)、「自分を表現する」(芸術・表現系列)、「豊かな生活を表現する」(福祉・スポーツ系列)等、6つの系列でしたが、悠久の時を経て、生徒の進路希望の変化、保護者や地域の要望等を踏まえ、現在のように、文科系列、理科系列、芸術・福祉・体育系列、商業系列の4系列の編成となりました。学科改編にあたり、学びを支援するために、県内でも屈指の施設・設備を誇る総合学科棟が竣工(しゅんこう)されました。
また、平成3年に男女共学化の実施、19年には、現在の制服に改定しました。平成21年には生徒数の減少、特に甘楽富岡地区の減少は著しく、一学年4クラスとなりました。しかし、時代は変わり、学びの形は変わっても地域の熱い高校誘致により、誕生した学校であること、創立時からの先人達の薫陶(くんとう)を受け、今日があることを忘れてはならないと思います。
本校は、卒業生10,810名を輩出し、46年の崇高な歴史と伝統を有する高校です。今後もこの良き伝統に、新しい息吹を吹き込み、堅実で爽やかな校風を維持していきたいと思います。
生徒の皆さんは、本日の創立記念式典の機会に、学校の成り立ちに思いを馳せることで、多くの人達の支えに感謝し、今後の学校生活に奮闘努力して欲しいと願います。
皆さんが歴史から学び、現在を見つめ直し、輝かしい未来に向かって力強く羽ばたくことを祈念し、式辞といたします。
令和2年11月2日
群馬県立吉井高等学校
校長 小松 祐一